冬には根を張ろう

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

DSC08588.jpg

このところ、明らかに眠りすぎの私。子どもと一緒に9時前にふとんに入って、絵本を読み聞かせているうちに、自分まであっさり眠りに落ちてしまうのです。それで夜中に起きるわけでもなく、早朝に早起きしてPCに向かうべきでもなく・・・。

「最近、私、子ども並みに寝てるよ、一日10時間とかザラだもん。こんなグータラしてて、大人としてどうなんだろう?」と夫に話してみると、「いいんじゃない、冬なんだし、寝たいだけ寝れば?」という返事。自分では、「これって怠惰なんじゃないか、あまりにも非生産的な生活だよなぁ・・・」と情けなく思っていただけに、夫のこの返答には、なんだか拍子抜けしてしまいました。


*
時間があるなら、せっせとPCに向かって仕事をすべきだし、仕事をしないまでも寝ているよりは部屋の掃除でもすべきだし、○○だってしておかなきゃいけないし、△△もすべきだし・・・。
と、私は”こうあるべき”と思い込みやすい傾向があって、なんというか、”右肩上がりに成長していかなければ、それは怠慢である”と自己評価しちゃうところがあるみたいなんです。

それは、前向きであるとプラスの評価もできるかもしれないけれど、”非生産的な自分”を情けなく感じてズーンと落ち込んでしまうというマイナス面も同時にあって、自分でも持て余してしまうときがあります。
(昔はこういうのって私だけかと思っていたのですが、大人になって、信頼できる友人と話をしてみると、意外と似た傾向を持つ人がいることに気づきました。”誰かの役に立たなければ、目に見える結果を出さなければ、私には価値がない”となぜか思い込んでいるんですよね。自分以外の人になら「そんなわけないでしょ」といえるのに、自分の場合だとそれが真実みたいに思えて。)

そんなやっかいな傾向を持つ私ですが、昨晩、夫からちょっといい話を聞きました。
それは夫が知り合いの植木屋さんから聞いてきた話なのですが、同じ土地に2本のモミジを植えると、先に一方だけがたくさん枝を出し、葉を茂らせ色づく…ということがあるそうなんですね。
もう一方(成長が遅いほう)は、枝も葉も少なく、一見貧相に見えるのですが、両方の根を掘り出して調べてみると、先に枝葉を茂らせ成長著しいと思われたほうの木は、根が短く弱いのだそうです。逆に、成長が遅く枝葉が少なく、一見貧相に見える木は、地上に出ている部分とは裏腹に、どっしりと太く長く、大地に根を張っているのだとか。

植木屋さんいわく、そういう2本のモミジのどちらか一方を間引かなくては(抜かなくては)ならない場合は、例外なく、先に枝葉を茂らせ、色づいたほうの木を間引く(抜く)のだそうです。
残る一方は、その時はまだ枝葉もまばらで貧弱に見えるかもしれないけれど、長い目で見ると、しっかりと根を張って大地に踏ん張っている木のほうが、丈夫な良い木に育つというのです。

その話を受けて夫が感じたことは、冬の間、枝葉を茂らすことのない木でも、地中ではしっかりと根を張っていっているのだなぁ・・・ということ。目に見える部分(枝葉)が成長していないと成長がないように思えるけど、根を張らないで枝葉だけを伸ばしてもダメなんだなぁ、ということ。

折りしも季節は冬に差し掛かったところ。私も目に見える結果や成長ができなくても、そのぶん冬の間は、しっかりと根を張ることに専念しよう。眠りすぎるのも、きっと今はそれが必要だから、そうしているんだと思うようにしよう。右肩あがりじゃなくても、人に誇れるような立派な枝葉を伸ばせなくても、とにかく根を張ろう。葉を茂らせるだけが成長じゃないはず。
地中に太くたくましく張る根は地上からは見えないけれど、その根がなければ、人も木もしっかりと大地を踏みしめて立っていることなんか、できっこないのだから。