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スローライフに思う
                          書いた日:2004/5/29(土)
「スローライフ」という言葉をよく耳にしますが、「スローライフって何?」と改めて尋ねられたとき、明確な回答をするのは難しいです。
gooスローライフのサイトでは『美味しいものを食べ、気持ちのよい環境で良く眠り、子供たちは健康にすくすくと成長する。その暮らしを持続するためには、安全な私たちの身体と心の健康を考える、あるいは実践しながら生きることが必要です。』という文章を掲げています。

それまで、いかに効率よく・早くできるか、ということが評価の対象であったのに対して「ゆっくり、のんびり、手間ひまかけて」、というスローな生活は「20世紀の遺物」とさえ思われていましたが、ここに来て、ようやくそのスローな生活が見直されるようになり、ゆっくりと人生を楽しもう、という風潮が顕著になってきているようです。

オーストラリアに住んでいた頃、退職者ビザ(リタイアメント・ビザ)で定年後にオーストラリアに移住して(※ご夫婦で、というのが多い)、ゆっくりと静かな生活を楽しんでいるという夢のような人たちの存在を知りました。
と言っても貧乏バックパッカーで生活をしていた私がそんな人と知り合えるはずもなく、実際にそういった方々とお会いしたことはないのですが、ぽわ〜んと「すごいリッチで満ち足りた老後なんだろうなぁ」と想像を膨らませていました。

退職者ビザで優雅な老後を送るリッチ層・・・というのとはちょっと違うのですが、旅の途中ですごくバイタリティ溢れるおばあさんと会ったことがあります。
私は男女問わず、生命力が満ち溢れている人というのが大好きで、そういう人と一緒にいると、私もパワーをもらえそうな気がするんですね。私の夫は、きっと無人島に二人で漂流したとしても「なんとかなるさ、さぁ魚でも釣ろう」とか言ってくれそうなので、私はいろいろな意味で楽観的になれているのだと思います。(この「無人島に一緒に漂流しても大丈夫だと思える人と結婚すべき」、という考えは、たしか故・森瑤子さんのどれかの作品中にもあったような気がします。)

さて、話を戻して、そのパワフルおばあさんのこと。
それは、私が貧乏旅行の最中にふと知り合った日本人ビジネスマンのおじさん二人がセスナを借りるのに座席が余っているからということで同乗させてもらったことが、きっかけでした。
そのおじさんたちはトヨタで車作りをしている方たちで、本当にお二人とも少年がそのまま大人になった、という形容がふさわしい人で、そのときも自分たちが制作に携わっている車で、砂漠横断をして性能を見てみたい、ということでオーストラリアまで来ていたようです。残念ながら、数日にわたって降り続いた雨の影響で、車での砂漠走行はムリだということになり、結局最終手段として、そのおじさんたちはセスナをチャーターして砂漠を上空で横断する、という選択をしたのだそうです。(何と、セスナの操縦のライセンスも持ってらっしゃった!)

その砂漠横断の空の旅で途中で訪ねたのが、おばあさんのお宅。
おばあさんはその時点で確か80余歳だったのですが、そのだだっ広い砂漠のど真ん中で、たった一人で暮らしていました。
一番近い町(アリス・スプリングス)までおよそ200kmあり、食料品などの買出しには自らジープを走らせ、その往復400kmの距離をひた走るのです!
おばあさんは砂漠の旅人のための宿を営んでおりました。とはいえ、わざわざ陸路で砂漠を横断しようなんていう物好きはそんなにはいないので、経営が成り立っているのかどうかは疑問でした。

おばあさんは、その昔おじいさんと二人でこの土地に移り住み、家を建て、井戸を掘り、風車を作り、風力発電の装置を作り・・・そんな作業を繰り返しながら、生活をしてきたそうです。
そのおじいさんは数十年前になくなったとのことだったので、おじいさんの死後、おばあさんはひとりでその家を守り続けているのです。

こういう暮らしを見ると「本当の幸せな暮らしって何だろう」と改めて考えてしまいます。少なくとも、このおばあさんは、砂漠の真ん中で誰にも看取られることなく、その一生を終えるのかもしれませんが、きっと「ああ、幸せな一生だった」と思ってその幕を閉じるのではないかな、と思うのです。

スローライフという言葉の意味も、受け取り方も千差万別です。
ここで私がその定義を決めることは不可能ですが、「ゆったりと自分らしく、人間らしく生きること」だと言っても間違いではないでしょう。
「お金」は生活に欠かせないものですが、「お金」に使われる人生ではなく、「お金」を使う人生でありたい。そして、自分の望む生活を、お金がないことだけを理由に諦めることはしたくない。それが今の私の気持ちです。

うちの夫はかなり不安定な仕事をしているので、夫が例え給料を持ち帰らない立場になっても(※これは失業するという意味ではなく、給料取りではなくなる、という意味です。)、名古屋でないところで暮らすと言い出しても、ちゃんと自分たちの生活を営んでいけるように、私は自分自身の収入源としてこのホームページを運営しています。
もし夫が「フリーになって○○がしたい」と言い出したときに、「あなたのやりたいようにしてください」と言えるだけの収入が私にあったら、何の迷いもためらいもなく、応援できると思うんです。

質問:
あなたにとってスローライフとは何ですか?

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