|
車を持たないという選択 |
わが家は自動車を1台所有しています。その車は、主に夫の仕事(通勤)用として使っていますが、家族で出かけるときや、休日の食材まとめ買いなどにも活躍してくれています。でも、基本的に私が運転する機会というのはほとんどない車です。
ところで、少し前、私は自分用の車(つまり、わが家にとってのセカンドカー)が欲しいと考えていました。小さな子どもが2人いるので、例えば雨の日にレインコートを着せて出かけなくてはいけないときや、具合の悪い子どもを病院に連れて行くとき、おむつやトイレットペーパーなど大きくてかさばるものを買いに行くときに、「あぁ、軽でもいいから車があったらなぁ。」と思うことはしばしばでした。
その気持ちは「車があったら便利」というところから、いつの間にか「ないと困るから買いたい」「これは無駄遣いじゃなくて、必要な出費」というものに変化していきました。「やっぱり必要だよ、車は。」そう考えたのです。
ある夜、「どうして車が必要か」という理由を並べ、夫に「車を買いたい」と話をしました。そのとき夫から帰ってきた返事は「それなら車を買わなくても、必要なときだけタクシーを使えばいいじゃないか。」というものでした。
昔から私の頭の中には、「タクシー=贅沢」という刷り込みがあって、普段タクシーに載ることはほとんどありません。近場なら歩きますし、遠ければ電車やバスの公共機関を利用します。だから、よほどのことがない限り、タクシーを利用するのは分不相応な贅沢だと考えていました。
でも・・・。自家用車をもう1台持つとしたら、いったい年間にどれだけの出費があるのでしょう。車体購入費、維持費、保険、ガソリン、駐車場代。
年間数十万の出費は覚悟しなければなりません。
それならば、もっと気軽にタクシーを利用したとしても、車を所有することに比べればずっと安くつきます。必要に応じて、タクシー以外にも、レンタカーという手段もあります。
どちらの場合でも、そのときにかかる金額だけを見れば「余分なお金を使っちゃった・・・」という気になりますが、それでも、車を1台余分に所有することを思えば、ずっとずっと安い金額なのです。
そのことを考えたら、私の頭から、「自分専用の車が欲しい」という気持ちはなくなりました。雨降りの日に出かけるときにタクシーを使ってもいい、子どもを病院に連れて行くときにタクシーを使ったっていい。たとえ、そのとき2,000円~3,000円の出費があったとしても、車をもう1台所有するのよりは、トータルで考えればずっと安くあがります。
家計の節約を考える上で、食費を切り詰めよう、雑費を減らそうとすることも大切かもしれませんが、車など大きな金額がかかるものを1つ見なおす(この場合は、セカンドカーを持たないことを選択する)ことで、かなり大きな節約効果があげられます。
もちろん、家庭環境や、ライフスタイル、外出の頻度によって、それでもセカンドカーが必要、というご家庭もあると思います。ですから、一概に「セカンドカーは持つべきではない」とは言えません。
でも、もしいまあなたがセカンドカーの購入を検討されているのなら、またはセカンドカーを維持するか・手放すかを迷っているのなら、自分にとってセカンドカーを持つこととは本当に必要なのか、セカンドカーを1台所有するときにかかるお金と、毎回タクシーに乗るのとでは、年間で考えたらどちらが安くあがるのか、を考えてみるとよいのではないかと思います。
|
|