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CAITOプロジェクト主催のプレストリップ2日めは、ラトビアの首都リガのホテルを朝出発し、北東方向の田園地方へと向かいました。
ラトビアはバルト三国の真ん中、北のエストニアと南のリトアニアの間にはさまれた国。首都リガは人口約70万人、バルト三国でも最大の都市で、世界中から観光客が訪れます。現在は、2018年の独立100周年に向け、建設ラッシュの真っ最中です。
しかし、首都リガを離れ、地方へ足を延ばせば、のどかな田園風景が広がっています。
この日は、大工工房で木工ワークショップ体験、アヴアティニ薬用植物展示園(ハーブ農園)の見学、ウングルムイジャ領主館で昼食と施設見学をし、別の領主館に泊まるという行程で、ラトビアの田園地方をまわってきました。
日本では、首都リガ以外のラトビアの地方の知名度はまだ低いと思うので、どんなところなのかお伝えできたらと思います。
大工工房で木工ワークショップ体験
最初に訪れたのは、首都リガから都市間バスで59分ほどのところにあるガルカルネ村(Garkalne)の「Namdara darbnīca」(ラトビア語で「大工工房」の意味)。
ここでは、木の熟練工から昔の木工道具の使い方(木の切り方やカーブの作り方)を習うワークショップを体験することができます。
まずは建物の中に入って、この大工工房のこと、ラトビア人と木の関わりに関するお話を聞きました。
ラトビアのは国土の半分以上が森林地帯で、「欧州連合の肺」とも言われています。良質な材木を産出する国としても高い評価を得ており、軽くて丈夫で柔軟性もあるアカマツは昔から造船によく使われてきたそうです。
ここに展示されているのは、ネズ(KADIKIS)、ハンノキ(ALKSNIS)、アカマツ(PRIEDE)、欧州トウヒ(EGLE)、トネリコ(OSIS)、ヤナギ(BLIGZNA)、カシワ(OZOLS)の材木。それぞれ、色も香りも少しずつ違います。
この工房で最もよく使う材木はネズ。アロマオイルで「ジュニパー」がありますが、ジュニパーはネズのことです。自ら枯れたネズは特に香りがよく、ピルツと呼ばれるラトビアの蒸し風呂でも使うそうですよ。日本で言う入浴用檜ボールみたいなものでしょうか。
こちらは冬菩提樹の木をくりぬいて作ったパンこね鉢。
樹皮で作った簡単なブーツ。白樺の樹皮を使って作られるそうです。
こちらも樹皮を使って作られた小物入れ。
ほかにもヤマナラシという柔らかい木で屋根を葺いたり、枯れたリンゴの木を薪にしたり、食器を作ったり。ラトビアの田舎に住む人々の生活は木とともにあるといっても過言ではありません。
木のお話を聞いた後は、外に出て実際に木工ワークショップ体験です! 写真は、木工道具(斧)の使い方を説明をしてくれる工房スタッフのヤーニスさん。
木の熟練工から昔の木工道具の使い方、木の切り方を習います。工房の人たちが切るとあっという間に木の輪切りができるのに、
私がやるとなかなか刃が進んでいかないのはなぜ……? (腰が入ってない?)
お次は「怠け者」という名前の道具を使って木の皮を削る作業。「怠け者」という名前は、座ってらくらく作業できる(必死に頑張らなくてもいい)ということからきているそうで、実際、工房のヤーニスさんの作業を見ていると、簡単そうに見えます。
しかし、いざ自分でやってみると、簡単ではありません。工房の方が手を添えてくれるとうまくできるんですが、一人でやろうとすると刃が滑らず……。助けてもらって、なんとか作品が完成!
これはこんなふうな飾り物になります。(作品は記念に持ち帰り可能)
木工ワークショップ体験と昔のおもちゃで遊んだ後は、焚き火を焚いた小さな小屋の中でのピクニック。
ナムダラと呼ばれる”大工の力のお茶”は、生姜、シナモン、丁子、オレンジ、レモン、紅茶、砂糖を煮だしたほんのり薄甘い飲みもの。大工さんたちがよく飲むそうです。
ピクニックに用意されていたのは、コケモモとリンゴのパイ、マッシュルームパイ、キャラウェイの入ったミートパイ、ジャガイモ、ニシンのオープンサンドなど。どれも美味しかったし、のどかな環境で青空の下いただくのは気持ちよかったです。
大工工房(Namdara darbnīca)の木工体験は、15名以上の場合、食事なしで1人11ユーロ、食事ありで1人20ユーロとのこと。実際に個人旅行で行く場合、15名以上というのは現実的ではありませんが、少人数でも(1人あたりの単価が高くなりますが)体験は可能だそう。
リガ旧市街から都市間バスで50分(車ならもう少しで早い)ほどのところにあるガルカルネというまちにある「家大工工房 namdara darbnīca 」に来ました。ここでは木工体験、昔ながらの遊び、大工さんの食事体験ができます。(15名以上、要予約)
景色もよくて気持ちいい! pic.twitter.com/Dc57zR4kPE— ayan@北欧旅行から帰国 (@warashibe) 2017年8月29日
【施設詳細】
名称 Namdara darbnīca
住所 2137 Garkalne, Latvia
公式サイト https://www.namdaradarbnica.com/
アヴアティニ・ハーブ農園
ガルカルネ村の大工工房を後にし、次に訪れたのは、リンバジ村にあるアヴアティニ・ハーブ園(Veselības augu brīvdabas ekspozīcija ‘Avotiņi’)、通称「緑の薬局(グリーン・ファーマシー)」です。ちなみに、「Avotiņi」とはラトビア語で「小さな泉」の意味。
この薬用植物展示園では、ラトビアにおける約300種類の植物を無農薬で育てています。
このハーブ農園(薬用植物展示園)は、オーナーのヤーニスさん(先ほどの大工工房の方と同名ですが、ラトビアではよくある名前だそう)が、家族の病気が化学的な薬物治療では治らなかったことをきっかけに、昔ながらの薬用植物によるケア(古の知恵)を実践するために設立した施設。
人類が化学な薬に頼るようになったのはせいぜい100年前からのことで、それ以前は、人々は自然の植物で怪我や病気の治療をしていたそうです。薬用植物を混ぜ合わせて食せば、人間の体には必要なものを必要なだけ摂取することができるのだとか。
「すべての植物は毒にも薬にもなるが、その違いは摂取量」とのことですが、ソクラテスを毒殺したという植物も普通に生えているので、やたらに触るのは控えたほうが安心。
特別に薬草植物の乾燥室も見せてもらいました。この薬草植物展示園で育てられた植物のほか、近くの湖畔などで採取された植物がここで乾燥、加工されています。
薬用植物展示園と乾燥室を見せてもらったあとは、室内に移動しておしゃれなウェルカムスナックをいただきながら、オーナーのヤーニスさんのお話を聞きました。
こちらでは、ここで製造加工された薬用植物の粉末を販売もしています。最初はハーブティーのように乾燥植物を煮出してお茶として飲むのかと思ったのですが、そうではなく、粉末化された乾燥植物をそのまま口に入れて、水で飲みこむのだそうです。
販売されている薬用植物の粉末は、いずれも単一種ではなく、症状にあわせたミックス。多様性が肝心で、人間はそのなかから勝手に必要なものを体に取り入れるそうです。
薬用植物は有機農業で育てられていること、月齢にあわせて最適なタイミングで採取すること(例えば地上にあるものは新月に、地中にあるものは満月の後に取る、など)、乾燥させるときは45度を超えないことも大切なポイントとのこと。
今回は、乾燥粉末ではなく、実際に目の前でアヴアティニ薬用植物展示園オリジナルの「緑のカクテル」を作っていただきました。
約60種類の植物や果物などが目の前でブレンダーに放り込まれていきます。「そ、そんなに入れて大丈夫?」と言いたくなるほどの勢い。
こちらが完成した「緑のカクテル」。ラトビア版の青汁ですね。
決しておいしいものではなく、小さなコップ1杯飲むのがやっとでしたが、飲んだあと不思議と体がぽかぽかしてきて(これは私だけでなく飲んだ方全員がそう言っていました)、なんらかの作用があるのは実感できました。
緑のカクテル(およそ60種類の植物や果物、はちみつ、塩胡椒などをブレンダーで混ぜた青汁的なもの)を試飲。飲んで数分で身体がぽかぽなしてきて、胃がすっきりした気がする! 決しておいしくはなかったけど。 pic.twitter.com/PHwD7ATRbv
— ayan@北欧旅行から帰国 (@warashibe) 2017年8月29日
アヴアティニ薬用植物展示園の入場は1人2ユーロ。ガイディングツアーは12名から(要予約)。有機薬用植物、植物療法などに興味のある方にはきっと楽しい場所だと思います。
【施設詳細】
名称 Veselības augu brīvdabas ekspozīcija ‘Avotiņi’
住所 ”Avotiņi” Lāde Limbažu pag., Limbažu nov. LV-4001, Latvia
電話 +371 29479172
ウェブサイト http://www.celotajs.lv/en/e/veselibas_augu_ekspozicija
続きの記事→ ラトビア田園旅 18世紀に建てられた木造の荘園「ウングルムイジャ領主館」の館内見学と昼食
提供:CAITOプロジェクト
※現地滞在費、飲食費、アクティビティ費、移動費等を提供していただきました。