他人を批評する難しさ

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他人に面と向かって(その人について)批評することが苦手です。
それは、自分が人さまをどうこう言うのはおこがましいと思うからでもあり、言われた相手がそれをどう思うかを気にしてしまうからでもあります。

先日、あるサイトの管理人さんに「自分のサイトに対して意見をして下さい。」ということを頼まれました。


ずいぶん前から交流を持ってくださっている方でしたし、メールを読んでその方なりにすごく伸び悩んでいるというか・・・行き詰っていらっしゃるようなに思えて、「少しでも力になれたら」と意見をさせてもらいました。

(※多分ご本人さんもこのブログを読んでいると思うので、今日の内容は半分その方へ宛てたメッセージと思ってください。)

いくつかの気になった点を述べさせてもらい、これこれこういうふうにしたほうが良いのではないかということを割とシビアに書かせていただきました。
書きながら、(本人に対して)果たしてこういうことを書くことが良いことなのか、自分なりに悩みましたが、結局それで送信ボタンを押しました。

その後、その方からお礼のメールが届きました。
もちろん意見を送ったことに対して感謝してくださっていましたが、その文面からは私のシビアな批評がその方を傷つけてしまったのではないかと思わせるような印象を受けました。

・・・他人を批評するのって本当に難しいです。

私ね、個人が一生懸命愛着を持って作りこんでいるサイトに、良いサイトも悪いサイトもないと思うんですよ。
言い訳のように聞こえるかもしれませんが、私はその方の書く文章が好きでしし、そのお人柄も素敵な方だと思っています。サイトからもその方の考え方や、好きなこと(=サイトのテーマ)に対する気持ちが伝わってきて好感が持てます。

だからこそ、私がその方を批評するのはどうしてもおこがましい気がしてしまうんです。

サイト運営の目的や意義は人それぞれ違います。
たとえ少人数でもいいから趣味の合う人たちが集まれるような雰囲気のサイトを作りたい人、たくさんの人たちで賑わうサイトを作りたい人、収益を生みやすいサイトを作りたい人・・・

そう考えると一概に「いい」「悪い」とは言えなくなってくるんです。
『少人数でもいいから趣味の合う人たちが集まれるようなサイトを作りたいと思っている人』に、とにかくアクセスを増やすための方法をアドバイスしたって仕方ないと思うんです。

私は前述の管理人さんがアクセス数およびYahoo!登録のことで伸び悩んでいるように感じましたので、それに沿ったアドバイスをしたつもりでした。
でも、その批評はあくまで”アクセス数を伸ばすためなら”、”Yahoo!登録を目指すのであれば”こうしたほうがいいのではないか・・・というものであって、必ずしもそれがそのサイトにとって良いことかどうかはわからないのです。

ひとつの例え話です。
あなたの友達がお菓子を焼くのが上手だったとします。
その友達の作ってくれるケーキやクッキーはどれもプロはだしでおいしい。
小麦粉もバターも質の良いものを惜しみなく使って、手間もかけ、心を込めて焼いてくれる。あなたはその友達から作ったお菓子をもらうたびに「すごくおいしい!」と賞賛の言葉を口にするでしょう。

でも、もしその友達が趣味ではなくて、仕事として製菓に携わっていたら?
趣味ではなくて、仕事としてのお菓子作りは「おいしい」だけでは成り立たないと思うんです。
原価率のことを考えずに、商売はできません。
店舗を維持・営業していくためには利益は必要です。
趣味で作っていたときは思う存分手間ひまかけていられたかもしれませんが、仕事となると生産性のことを考慮しなくてはいけません。

両者のスタンスの違い、求めるものの違い、目指す地点の違い。
違いが生まれるのは当然です。
でも、どちらがいいわけでも、悪いわけではないはず。

趣味でお菓子を作る友達に原価率や作業効率を改善するためのアドバイスは必要ありません。「おいしいよ」の一言と、感謝の笑顔があればいいのです。

でも、もし製菓職人がケーキ屋さんの営業に行き詰ってあなたにアドバイスを求めてきたら? その人が求める言葉は違ったものではないでしょうか。

すみません、例え話のつもりがどんどん長くなってしまいました。

結局私が言いたかったのは、目的に応じてアドバイスと言うものはまったく変わってきてしまうということ。だから、私が前述の管理人さんに対して言った批評が的を得ているかどうかは、結局のところわからないのです。

何を目指すかはひとそれぞれ。尊敬するサイトさんがあったとしても、別にそのサイトさんと同じようにしていく必要はないと思います。

私のサイトだって、改善の余地はまだまだたくさんあります。
(はい、自分でもよくわかっています・・・)

収益率を上げるのならああしたほうがいい。
作業効率を上げるならこうしたほうがいい。

でも、そのために自分らしさを失うのはイヤだと私は思っているので、実行に移せなかったりします。

最後に、その管理人さんへ。
テクニック的なことはアドバイスできるかもしれません。
でも、ご自身がどういうサイトを目指しているのか、それによってすべきことはまったく違ってきます。アクセス数の多いサイトだから良いサイトだ、なんてどうか思わないで下さい。
あなたがあなたらしいサイト運営をしてくださることが一番ではないかと思っています。どうか、自分らしさを失わないで下さいね・・・