日本屈指の秘境・大杉谷を仙人と歩く滝めぐりトレッキング 心をゆるめる時間【PR】

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大杉谷の滝
三重県大台町・大杉谷の六十尋滝

1泊2日の三重県大台町魅力発見ツアー にブロガーとして参加した私、「奥伊勢フォレストピア宮川山荘」に泊まった翌日は、日本屈指の秘境、大杉谷(おおすぎだにに行ってきました!

大杉谷は、黒部峡谷、清津峡とともに「日本三大峡谷」のひとつに選ばれ、国の天然記念物に指定されている大峡谷で、深々とした緑、大迫力の滝、猛々しい奇岩など、手つかずの大自然がそのまま残されています。

非常に雨の多いことで知られる大杉谷は、その豊かな水が、深いV字峡谷、個性的な滝、巨大な岩壁、美しい原生林やコケを生み出し、”関西の屋久島”と呼ばれるほど、水と緑が美しい谷なのだとか。

大杉谷登山道は三重県大台町から奈良県大台ヶ原まで続いており、7つの滝と11の吊り橋を越える、見どころの多い中級登山道ですが、今回は本格的な登山ではなく、大杉谷登山口の手前にある六十尋滝とその近くにある秘瀑を見るトレッキングを楽しんできました。

宮川

奥伊勢フォレストピア宮川山荘から送迎バスに乗り、美しい宮川を眺めつつ上流部へ。

大杉谷登山センター

宮川ダムのほとりにある大杉谷登山センター隣の公衆トイレ。ここから先はトイレはないので、済ませておきましょう。このあたりから携帯の電波も届かなくなります。

新大杉谷橋

ダム湖を右手に見ながら進み、新大杉谷橋(通称「赤橋」)を渡って宮川の西側へ。

新大杉谷橋

新大杉谷橋 はグレーチング構造(鉄が格子状になっていて下が見える蓋)の橋です。

車から降り立つと、眼下に宮川の水が見えました。私は高いところ平気なのですが、苦手な人はもしかしたらちょっと怖いかも。歩いても、車(14t未満)ででも渡れます。

そこから大台ヶ原線(53号線)を宮川沿いに少し進んだ「六十尋滝」入り口近くで、本日私たちを案内してくれる”仙人”こと、巽幸則さんにお会いしました。

巽さんは、2019年9月16日テレビ東京で放映された「世界ナゼそこに?日本人~知られざる波瀾万丈伝~」 の 「特別企画!ナゼそこに?ニッポンの秘境に住むスゴい人々」で紹介された経歴を持つ72歳の男性です。

巽さんは40歳頃までは普通のサラリーマンをしていたそうですが、都会での生活に違和感を覚え、残りの人生は大好きな自然の中で自分の好きなように生きたいと考えて、ここ大杉谷渓谷に移住したとのこと。

発電所の寮だった建物を買い取り、改築して登山客向けの山荘を開業し、十年以上切り盛りしてきたのですが、2004年9月、台風21号によりもたらされた壊滅的な被害で大杉谷登山道は閉鎖、巽さんの山荘も壊滅的な被害を受け、廃業を余儀なくされたそうです。

以来、巽さんご自身はそのまま山荘だった建物にひとりで住み続けています。

大杉谷トレッキング

2014年4月25日、登山道が前面復旧し、山が10年ぶりに解禁されました。長らく閉ざされていた大杉谷の最深部には、荒々しくも魅力的な新名所が登場しているといいます。

とは言え、今回は”日帰りで楽しめるトレッキング”をテーマに、大杉谷登山道入り口手前の美濃ヶ谷にある滝を巽さんに案内していただきました。大きな岩がゴロゴロしている山道を歩いて行くと、目の前に現れたのが「六十尋滝(ろくじゅっぴろだき)」です。

大杉谷の六十尋滝

音を立てて流れ落ちる六十尋滝。岩や木々が静かに存在感を放つ人気(ひとけ)の無い山奥で、ただ滝の水音だけが響き渡っていました。

滝名の由来は古く天文10年(1541)大杉谷が御杣山として定められた時代に遡ります。

このとき、ご用材(伊勢神宮の建立に使われる木材)の搬出に伴って付近の地図の作成が行われ、この滝の上から網を下げて高さを測ったところ、およそ六十尋あったことから「六十尋滝」と名付けられたとか。

※「尋」は長さの単位で、一尋は約150cm。

六十尋滝

飛沫を上げて白く輝く滝の前に立つ巽さんは”森の仙人”と呼ぶのにふさわしい風格。

苔むした岩

苔むした岩。ふと、「もののけ姫」に出てくる森を思い出しました。

何を言ってもおこがましくなりそうですが、ここにある岩も、木も、苔も、花も、自然が作り上げ、ただそこにあるべくして存在する、冒しがたいものに見えました。

手塚治虫の漫画「火の鳥」の中に、マクロとミクロの視点を行き来する描写がありますが、息をのむような滝や巨岩を見、それから柔らかい苔や石灰岩のカケラを見ると、自然の極大と極小を感じずにはいられません。

普段は考えないようなことが頭に浮かんでくるのは、この非日常の空間のせい?

しばし時間を忘れて滝の音に聞き入り、空気中に飛び散る細かい水の粒子を頬にうけると、不思議とすっきりした気持ちになりました。

橋

車に戻り、少し上流に移動。ちなみにこの橋の下に岩がたくさんあるのは2004年の台風による土砂崩れの濁流の爪痕です。巽さんによれば、台風の直後はこの橋がすっかり埋まってしまうほど土砂が積み重なり、一瞬「橋が流された!」と思ってしまったほどだとか。

大杉谷

六十尋滝への道よりもさらに険しい道を歩いて進みます。

沢歩き

沢歩き(「徒渉(としょう)」というそうです)。

無名滝

こちらは「名前のない滝(無名滝)」。いわゆる秘瀑です。かなり岩のある沢を渡らなくてはならず、六十尋滝よりもトレッキングの難易度は高め。

大杉谷

無名滝を見てから車に戻り、巽さんの暮らす家に案内していただきました。

元大杉谷山荘

こちらが巽さんが一人で暮らしている 家(元・大杉谷山荘) です。

巽さんの家のテラス

屋外に作れたツリーハウスのようなテラスに椅子を並べて、お昼ご飯をいただくことに。

テラスに設置されたテント

テラスの一角にはテントが貼ってありました。「ときどき星を見ながら酒を飲んでここで眠るんだよ。」と笑う巽さん。

テラスからは宮川も見下ろせます。

おにぎり弁当

大台町の「もみじ館」のお弁当(ガイドの野田さんが手配してくださいました)。

豚汁

巽さんお手製の熱々の豚汁もいただきました。トレッキングの後で食べるおむすびと豚汁はすごくおいしくて、豚汁はお代わりしてしまったほど。自然の中をたくさん歩いた後って、不思議なほど”健全な食欲”がわく気がします。

巽さんを囲んで昼食

みんなで食事をしながら巽さんのお話を聞きました。正直、携帯の電波も届かず、周囲にまったく人のいないこの土地で暮らすということが私にはうまくイメージできません。

けれど、こんなふうに自分には想像もできないような暮らしをしている人がいて、訪れる旅人を受け入れてくれ、とっておきの景色を見せてくれる・・・・・・そんな出会いに恵まれるのも旅の醍醐味だなと思いました。大げさかも知れませんが、世界が広がります。

巽さん

「僕は自然が大好きなので、自然が好きな人が大杉谷に来てくれるのは大歓迎です。今日みたいに短時間じゃなく、もっとゆっくり来て欲しいんだけどね。」

たき火を囲みながら、そんなふうに話してくれた巽さん。普段デジタルなものに囲まれて忙しく過ごしている人ほど、こういう場所にいって、木や石や水に触れて、心をゆるめる時間が必要なのかも知れないな、と思いました。

どんな絶景をパソコンやスマホの画面で眺めるよりも、実際に移動して、その土地の空気を吸って、その土地の人と話して、その土地の食べものを食べるのが、心をゆるめるのには効果的な気がします。

今回の大台町魅力発見ツアーを体験して大台町旅行記を6本書きましたが、私の記事を読んで、「今度の休みに大台町に行ってみようかな」と思ってもらえたらとても嬉しいです。

盛りだくさんで楽しかった1泊2日の三重県大台町魅力発見ツアーもこれにて終了。道の駅奥伊勢おおだいに少し立ち寄っておみやげを買ってから、JR三瀬谷駅14時21分発のワイドビュー南紀6号に乗り、大台町を後にしました。

本当はもっとゆっくりしていきたかったのですが、これを逃すと16時59分まで電車がないので・・・・・・。このときばかりはマイカーで大台町に来ている人を羨ましく思いました。

次は、新緑の季節か夏休みに、家族で三重県大台町を訪れて、エメラルドグリーンの宮川でSUP(スタンド/アップ・パドルボード)をしてみたい!と考えています。

出典 Verdeアウトドアプログラム
https://warashibe.info/blog/wp-content/uploads/2020/02/nodasan.jpg
Verde大台ツーリズム

SUPシーズンは4月~10月下旬。日本一の清流・宮川で2時間半のSUP体験を6,000~6,500円(ガイド料・装備一式レンタル料込)で楽しめます。

https://warashibe.info/blog/wp-content/uploads/2019/12/ayan676.jpg
ayan

子どもたちを連れて来たら絶対喜ぶだろうな~!

名古屋から約2時間でこんな場所があるなんて、実際に大台町に行くまで全然知りませんでした。今回この三重県大台町大台町魅力発見ツアーに参加できたことを嬉しく思います。

お世話になった大台町観光協会や大台町商工会の皆さま、奥伊勢フォレストピア宮川山荘の皆さま、ガイドの野田さん、”仙人”こと巽幸則さん、どうもありがとうございました。

ご一緒したブロガーの皆さんにも感謝を込めて。

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本記事は、大台町観光協会の主催する大台町魅力発信ツアーに参加し、交通費・宿泊費・アクティビティ費をご負担いただき、取材・執筆しています。