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フィンランドの沿岸地域と群島には、1000kmもの海岸線が広がっており、何万もの島々が存在します。
今回、フィンランド南岸部のタンミサーリ旧市街を散策し、ラーセポリ城址へ行った後は、ラーセポリからほど近い群島のひとつにあるカリオラリゾートを訪ねました。
もくじ
カリオラリゾートの場所
カリオラリゾートは、正確には、calliola conference & event center(カリオラ・カンファレンス・アンド・イベント・センター)といい、フィンランド南西部のラーセポリ市に属する群島のひとつ、Snappertunaにあります。
このあたりはスウェーデン系フィンランド人が多く、98%の人が(フィンランド語ではなく)スウェーデン語をメインに話すのだとか。
カリオラリゾートは、今回の北欧田園旅で訪れたタンミサーリ(Tammisaari)からは約30分、ハンコ(Hanko)からは約30分、フィスカルス村(Fiskars)からは約40分の距離。
また、フィンランドの首都ヘルシンキからは約95km、車で1時間20分ほどです。
カリオラリゾートってどんなとこ?
カリオラリゾートは、海と自然と静かさが調和する群島にあるリゾート施設。このあたりはもともとは漁村で、現存する建物は1920年代に建てられたものだそうです。
1980年代にフィンランドの著名なオペラ歌手が個人の別荘としてこのあたり一帯を所有しましたが、その後、1997年に現オーナーであるカーサネン夫妻が購入し、以降、20年に渡りカリオラリゾートを経営しているとのこと。
(なお、Calliolaという名前は、前所有者であるオペラ歌手Timo Mastakallioにちなんで名付けたそうです。)
オーナーのマイユ・カーサネン氏とカリ・カーサネンさん。ここに住んでいるわけではなく、ヘルシンキで会社を経営されているエグゼクティブ(だと思う)。
カリオラリゾートには90名まで収容できる5つのミーティングルームと14棟のコテージ(宿泊施設)があります。フィンランドの伝統的な地元料理が食べられるレストランがあり、丁寧できめ細やかなサービスが受けられるのも人気の理由。
海と森が近く、豊かな自然環境の中、ゲストはゆっくり贅沢な時間を過ごせます。
貸し切りでウェディングパーティーが行われ、参加者全員がここに泊まることもあるそうですよ。日本にはあまりないタイプの施設?
カリオラリゾートの森でベリー摘み&キノコ狩り
カリオラリゾートのすぐそばには、樹齢数百年の木々が生い茂る森があります。
今回チェックイン後に時間があったので、森でベリー摘みとキノコ狩りをさせてもらいました。ラトビアでもキノコ狩りをしたけれど、フィンランドでもできるなんて!
深い森の中には、いろいろな種類のキノコやベリーがたくさん。これは楽しい♪
苔をまとった枝が木漏れ日を浴びて光っているのもきれいでした。
巨大ポルチーニ茸を発見。こんなジャンボサイズ、初めて見ました!
カゴいっぱいのキノコ。黄色のひらひらしたキノコは、ラトビアでも食べたあんず茸です。「北欧の森でキノコ狩り」に憧れていたけれど、まさにメルヘンの世界。
摘みたてのブルーベリー&リンゴンベリー、新鮮で甘酸っぱくて美味しかったです。
スウェーデン式ザリガニパーティーを見学
森でキノコ狩り&ベリー摘みのあと、ちょうどこの日オーナー夫妻の友人がザリガニパーティーを開催しているというので、少しお邪魔させていただきました。
えっ、ザリガニを食べるパーティー!?
私たち世代以下の日本人でザリガニを食べたことがある人はあまり多くないと思うのですが、もちろん私も食べたことはありません。
ザリガニを食べるのはスウェーデンの文化。スウェーデン系の人が多く住むこの地域では、夏にザリガニパーティーしてみんなで楽しむのだとか。
大皿の上にはてんこ盛りのザリガニ、みなさんが付けている紙エプロンもザリガニ柄、テーブルのナプキンもザリガニ柄。いや、なんかもう、すごかったです。
ザリガニパーティーのルールはよくわからなかったのですが、だいたいみなさんで歌って、ショットグラスで強いお酒を飲み、ひたすらザリガニを剥いて頬張っていました。スウェーデン系フィンランド人のザリガニへの情熱を垣間見た気分です。
(だんだんザリガニが普通のエビに見えてきたほど……。)
カリオラのコテージ(スイート)
カリオラリゾートには14棟のコテージがあり、それぞれ名前がついています。
今回私がブロガーのゆーこあらさん(@Yu_koara)といっしょに泊まったのは、Saaristoというコテージ。幸運なことに、海のすぐそばにあるスイートです!
普通の一戸建ての家のキッチンと比較しても遜色のない立派なキッチン。
シングルベッドがふたつ並んだベッドルーム。バスローブやタオルもたっぷり。
広々としたリビングには本物の暖炉があり、窓からは海が見えます。居心地が良すぎて、もう、ここに住みたいくらい……。
リビング横のドアを開けると、左手にトイレ、正面にシャワールームとサウナ、そして右側には海へ出られる裏口があります。ちなみにこのドア横の木材は120年前のものだとか。
コテージにプライベートサウナ付きですよ! それも、電気式じゃなく、ちゃんと薪を燃やすタイプの伝統的なフィンランドサウナです。信じられない。
勝手口を開けると、数メートルで海です。
夜にはリビングの暖炉の燃える炎を身ながらぼーっとしたり、プライベートサウナで体を温めたり、そのあとは勝手口から外へ出て海にドボンしたり。最高でした。
朝はリビングの外にあるチェアで海を眺めながらモーニングコーヒーを楽しんだりもできます。ここ、結婚式のあとにカップルで泊まったりしたら素敵だろうな~。
カリオラの食事(ディナー&朝食)
カリオラは、環境も宿泊施設もとてもよいですが、料理も忘れてはいけません。
こちらには決まったメニュー表はなく、その季節にとれる地元の野菜、魚、肉などの食材をフィンランドの伝統的なスタイルで調理して、提供してくれます。
(食材はすべてオーガニックなものを使用。)
ワインセラーのセレクションも充実しており、料理に合わせたワインを選んでもらえます。
笑顔でザリガニを運んできてくれたのは、カリオラリゾートのシェフ、ニック・ヴィクトルツォンさん。フィンランド航空の機内誌『Blue Wing』の2017年秋号の表紙にも載った、とても有名な腕利きシェフだそうです。
剥き方を教えてもらって、生うまれて初めてザリガニを食べてみました。お腹側の見た目がちょっと蝦蛄(シャコ)っぽくて苦手でしたが、味はエビみたいな味わいで、悪くなかったです。(でも、山盛りは要らないかな。^^;)
前菜は、キャベツ、紫キャベツ、フェンネル、ズッキーニ、スプルース(トウヒの若芽)、若い松ぼっくり、ライ麦クラッカーをバジルソースであえたサラダ。
若い松ぼっくりなんて、初めて見ました&初めて食べました! ちょっとほろ苦くて、青臭い味わいで、個人的にはあまり好きではありませんでした。
松ぼっくり以外の野菜は、どれもみずみずみずしくて、おいしかったですよ。
メインは、ジビエ料理で、スモークしたエルク(ヘラジカ)に、ビーツ(ビートルート)とここで採れたはちみつを混ぜたソースをかけたもの。
この森で採れるラズベリーの乾燥させた葉を燃やしてスモークしているそうで、しっかりとスモーク臭がついており、とっても美味しかったです。
付け合わせは、噛み応えのあるスペルト小麦のリゾットと、今日森でとってきた巨大ポルチーニ茸。さっきとってきたばかりのキノコが夕食に出るなんて、感激です。
デザートは、サルノコシカケの一種である「カバノアナタケ」(英語ではチャーガ)のアイスクリームと、白樺の葉っぱのアイスクリームの盛り合わせ。
横に添えられていた赤い粉は、キシリトールのような白樺から作る砂糖をリンゴンベリー(コケモモ)の果汁で赤く染めたもの。
初めて食べる味でしたが、カバノアナタケのアイスはまったりして深みのあるキノコ味、白樺の葉のアイスはスーッとする清涼感のある風味とシャリシャリした食感で、どちらも美味しかったです。
どちらもカリオラリゾートで採れる素材を使っており、ここでしか食べることができないアイスクリーム。忘れられない味わいでした。
翌朝は、同じ場所でブッフェスタイルの朝食をいただきました。種類はそこまで多くありませんが、ハム、生野菜、チーズなど、どれもおいしいものが並んでいます。
特に素晴らしかったのは、オーブンから運ばれてきた焼きたてパン。自家製のミューズリーがたっぷり入っていて、ナッツやドライフルーツの入ったずっしり系のパンが大好きな私には、ドンピシャ好みのパンでした!
(あまりに美味しすぎて、オーナー夫人にそれを伝えたら、「そんなに気に入ったなら、少し持って帰ります?」とカットしてくれて感激。チェックアウト日=帰国日だったので、しっかり日本に持ち帰って、おいしくいただきました♪)
カリオラリゾートは、結婚式や企業のパーティーやセミナーなどによく使われており、私たち日本人旅行者が個人的に宿泊するには、ちょっとハードルが高いの事実。
でも、今回こんなにすばらしい環境で一晩過ごすことができ、フィンランドの田舎がますます好きになりました。カリオラのスタッフの皆さまに感謝。
【施設詳細】
名称 calliola conference & event center
住所 Rågöntie 315 10710 Snappertuna, Etelä-Suomen Lääni, Finland
電話 +358 (0)201 600 888
公式サイト https://www.calliola.com/eng
北欧の田園を旅しよう! まとめ
「森と湖の国」と言われるフィンランドは、国土(面積)は日本の9割ほどですが、その73%が森林。国民はおよそ550万人(東京都の半分以下)であることを考えると、人口密度がとても低いのがわかると思います。
北欧デザインのおしゃれなショップが立ち並ぶヘルシンキの観光も楽しいですが、フィンランドを旅行することがあれば、ぜひ田園地方にも足を延ばして、豊かな自然の中、本来のフィンランドらしい魅力を味わってみてください。
全16回にわたっておとどけしてきた「北欧の田園を旅しよう!」のブログ記事はこれにて終了です。最後まで読んでくださってありがとうございました。
(私がライターをしているGOTRIP!という旅メディアでも、別の北欧記事を15本執筆しており、このあと順次公開されていく予定です。→GOTRIP!のayan記事一覧)
私の記事で少しでもラトビア、エストニア、フィンランドの田園旅に興味を持ってもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。
提供:CAITOプロジェクト
※現地滞在費、飲食費、アクティビティ費、移動費等を提供していただきました。